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2020年2月15日のぱたぱた

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    今年の冬は京都の日本海側でも積雪がなく、暖かいです。例年積雪が多い地

    域ではいかがですか。

     

    市街地ではこれまで車道にまであふれていた観光客が、今はひっそりまばら

    になりました。新型肺炎の脅威は収まりません。そして、その報道とともに

    知らされるインフルエンザ患者の死者数の多さに、今更ながら驚いています。

    20年以上前に誘われて、薬物依存症のリハビリ施設やドラッグコートの見学

    にサンフランシスコに行ったことを最近よく思い起こします。薬物に関わっ

    て罪を犯した人が、自身の物語を施設でも法廷でも語ることが保障され、ケ

    アされることが大前提だと知ったとき、大きなカルチャーショックを受けま

    した。「処罰ではなくケアを」とやっと日本でも聞かれるようになりました。

    「更生」について考える日々です。

     

    今日は、映画『少女は夜明けに夢をみる』のシェアをします。イランの少女

    たちの更生施設が撮影現場。監督は実際に施設のなかでカメラを回していま

    す。少女たちは家族内で起こっていた暴力、虐待、性虐待のことを誰からも

    信じられず、盗み、クスリ、殺人などの罪を犯して路上で生活して施設に来

    ていることをカメラの前で語るのです。

    うつ状態でうつろな少女もいます。腕には線とは言えないほど切り刻んだリ

    ストカットの痕。「ここは“痛み”だらけ。四方の壁から染み出るほど」とい

    う表現。少女たちのそれぞれの自己物語…。映像から、彼女たちは施設のな

    かで不思議なつながりをもって過ごしていると感じ取れます。アイロニック

    に明るく歌を歌う場面も多くありました。みな、施設の外の世界では孤立し、

    人を信じられず特に男性への恐怖に怯えながら過ごしていたのに。

    私は遠い国イランがとても近くに感じました。日本の社会でも同様のことが

    起こっているのだから。でもこんなふうに日本の少女たちは自分の身に起き

    たことを語れているのだろうか、ケアは行き届いているのでしょうか。

     

    昨年3月末の性暴力裁判での無罪判決を受けて盛り上がっている #me too

    #we too運動、フラワーデモ。次回3月は8日の国際女性ディに行われるそ

    うです。マイクをもって語られるサバイバーの言葉に心が動き、拍手で共感

    を伝える、歩かない静かなデモ。こんな形があったのですね。語ることがで

    きる場が一つでも多く作られ、聴くことができる社会に近づけたいという思

    いと行動をともに確認したいです。

     

    *「ぱたぱた日記」は理事が持ち回りで執筆しています。

    2020年1月15日のぱたぱた

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      二兎社「私たちは何も知らない」を見た。ご存知と思うが、主役は平塚らい

      てう。作品紹介には「雑誌『青鞜』の編集部を舞台にした青春群像劇」とあ

      る。出てくるのが、伊藤野枝、岩野清、尾竹紅吉、保持研、山田わかである。

      何だかスゴイ。男性は、平塚らいてうのパートナーとなる奥村博以外は女性

      たちのせりふの中に登場するだけであるが、辻潤、大杉栄、富本憲吉、岩野

      泡鳴、山田嘉吉に森鴎外と、こちらも何だかスゴイ。

       印象に残った場面はいくつもあるが、一つ上げるなら、冒頭の、尾竹紅吉

      がらいてうを訪ねてくる場面。平塚らいてうに心酔、その主張に興奮する尾

      竹紅吉と、それに対応する保持研の言葉(記憶のみなので不正確ですが)。「新

      しい女」「因習の打破」「こういう本を、言葉を待っていた」「全国からたくさ

      んの女性たちがらいてうを訪ねてくる」(めっちゃ不正確です)等々・・・こ

      こで伝わってくるのは、『青鞜』が当時の女たちに与えた興奮と熱狂である。

      同じようなことがほぼ60年後、ウーマンリブの登場時にもあった。このと

      きのカリスマは田中美津さん。さらにその10年後女性学、フェミニズムも

      同じような熱狂をもって受け入れられている。ことのときのカリスマは上野

      千鶴子さん、小倉千加子さん。そしてフェミニストカウンセリング。女性た

      ちに熱狂を持って受け入れられたこれらが目指したものは、「因習の打破」「便

      所からの解放」「ジェンダーの呪縛を解く」「自分を生きる」と、言葉は違っ

      ても、目指すものは同じである。そして世間からの強い反発を受け、揶揄、

      嘲笑を浴びたのも同じ。こう考えると、私たちはみな同じ系譜に連なってい

      る。舞台上で取り上げられた女の問題は、家事負担、子産み子育ての負担、

      家族の中での抑圧、結婚と自己犠牲、嫁役割、男女の非対称性、母性と堕胎、

      性を語ること性愛の解放・・・と、今も未解決の問題群である。青鞜発刊時

      の平塚らいてうは25歳。ラップ調の「原始女性は太陽であった」で幕をあ

      ける舞台は、若い女性たちの知的興奮と新しい時代の胸弾む予感で始まり、

      暗い時代の到来を暗示して終わる。近代の幕開けを生きた女性たちのことも、

      今に続く時代がどのようなものなのかも「私たちは何も知らない」のだ。公

      演は終盤になったが、滋賀、愛知、石川での講演がこの後予定されている。

      お近くの方は是非ご覧いただきたい。

       

      *「ぱたぱた日記」は理事が持ち回りで執筆しています。

      2020年1月1日のぱたぱた

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        新年あけましておめでとうございます。

        昨年、日本FC学会は大きな転機を迎えました。事務所の移転にあたり、多

        くの皆さんから寄付金を頂戴しましたこと、心より感謝申し上げます。あり

        がとうございました。FC学会は事務所を移転した後、パンフレットを刷新

        し、気持ちを切り替えて前進しています。

         

        さて今年は阪神淡路大震災から25年の年にあたります。今年の日本FC学会

        全国大会は、202052324日に神戸で行うことになりました。シン

        ポジウムのテーマは『トラウマのある社会で生きるということ 〜回復への

        旅を当事者とともに〜 』です。トラウマインフォームドケアをより深めて

        考える場になればと考えています。

        分科会とワークショップの企画も募集中です。今回から企画希望者に書式を

        データでお送りすることになりましたので、学会事務局にご一報ください。

        皆さんの日々の実践を発表する機会をご活用ください。たくさんの企画が寄

        せられること、そして多くの皆さんが神戸に足を運んでくださることをお待

        ちしています。

        年末に、とても驚いたことを二つ。一つは『女性のいない世界 性比不均衡

        がもたらす恐怖のシナリオ』(マーラ・ヴィステンドール著、講談社刊、2012

        年)。7年前に出版された本ですが、性比不均衡は今も世界のどこかで引き続

        きおこっているだろうと予想されます。自然な状態での出生性比(100人の

        女子に対して男子が生まれる数値を表したもの)は105ですが、2010年に

        は中国113.3、アニメニア112.4、インド112、アルバニア111.8、ちなみに

        日本は106。女の子ばかりが捨てられる、捨てられる以前の問題として女の

        子だとわかると産まないのです。もし過去数十年間自然な性比が維持されて

        いたとしたら、アジア大陸だけでもあと16300万人の女性がいたという

        のです。なぜこのような事態が起きたのか、複雑に絡み合った要因を解きほ

        ぐしていくと、政治的な思惑が現れてきます。

        「女性がいない世界」では売春、人身売買、パートナーが見つからない若い

        男性が増えます。コロンビア大学の経済学者の出生性比と犯罪率の関係に関

        する研究によると、中国では出生性比1%の増加がその地域の犯罪率を5

        6%引き上げているといいます。“男性過剰”は既に世界を蝕んでいる世界的

        な問題なのに、その問題に注意が向けられていないことが大きな問題なので

        す。

        もう一つは埼玉県が導入したAI救急相談システムです。このシステムでは

        利用者の症状に応じて5段階の緊急度を判定して、どう対応するのかを提示

        したり、家でできることを助言します。こういった情勢をみていると、私た

        ちが携わる相談事業にもAIが活用される日が近いかもしれないと思わざる

        をえません。

        相談に携わる私たちには今後どのようなスキルが求められるのでしょうか。

        決してフェミニズムは古い話ではなく、現在も進行しつつある大きな人権課

        題であり引き続き取り組んでいく必要がある重要な取組みです。FC学会の

        担う役割は非常に大きいと考えています。

        社会ではさまざまな思惑がうごめき、状況は刻々と変化しています。こうし

        た現状をしっかりと見据えつつ、本年も日本FC学会をどうぞよろしくお願

        いいたします。

        2020年元旦 執行照子

         

        *「ぱたぱた日記」は理事が持ち回りで執筆しています。

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